ソフトカプセル(軟カプセル)とは
ソフトカプセル(別名、軟カプセル)は、主薬を植物油などに溶解あるいは分散させた内容液とそれを覆うゼラチンなどを基剤とした皮膜が一体化された剤形です。
ソフトカプセルは伝統のある剤形で、1833年にフランスで製造されていたという記録があります。日本では、イギリスからロータリー式の充填機が導入されてから、急速に発展したといわれています。
ソフトカプセルの特徴
ソフトカプセルは内容液を皮膜に包んでカプセル成型されます。内容成分に対する堅牢な密閉性が大きな特徴です。
そのため、内容成分などの保護・封じ込めなどの機能に優れ、皮膜成分の成分によって、遮光性などの付加機能を付与できます。ソフトカプセルの製造法には、内容液をゼラチン皮膜で包み、ダイロールと呼ばれる金型を使用して圧着・成型加工するロータリー方式の製造(ロータリーカプセル)と、液体がその界面張力によって球形になる性質を利用して製造されるシームレス方式の製造(シームレスカプセル)があり、異なった性質をもちます。それらの特徴について、下記にまとめます。
図:ソフトカプセルの製造法
表:ソフトカプセルの特徴
ソフトカプセルの一般的特徴 |
・服用時に内容成分の不快な味や臭いを感じない ・内容成分を外部環境(光・酸素等)から保護する ・製剤の均一性に優れる ・難水性の内容成分の人体への吸収性に優れる (バイオアベリラビティ(BA)の高い製剤となる) ・製剤化への検証すべき工程パラメータが少ない ・高活性医薬品の封じ込めが可能 ・水に沈むので服用時に嚥下しやすい ・基本的には油に溶解する成分が対象となる (懸濁などにより水溶性のものでも製造可能) ・温湿度により外部皮膜の硬度等が変化する可能性がある |
ロータリーカプセルの特徴 | ・製造できるカプセル形状の自由度が大きい ・カプセルの形状は金型設計で設定する |
シームレスカプセルの特徴 | ・形状は球形のカプセルになる ・カプセルの大きさに関する自由度が高い ・皮膜を二層にし、水溶性の内容液のカプセル化が可能 |
ソフトカプセルで解決できる課題
- 製剤化・開発速度のスピードの加速
- 高活性医薬品の安全・安定的な製造及び医療現場での暴露の防止
- 内容成分(API)の安定性の向上
- 微量成分や紛体で混合が難しい成分の製剤均一性の向上
- 味・臭いマスキングによる服薬コンプライアンスの向上
- 難溶性薬物の吸収性(バイオアベイラビリティ)向上
- スケールアップの課題解決
ソフトカプセルに関するお問い合わせ
ソフトカプセルにご興味がございましたら、資料のご請求をいただくか、下記、お問い合わせフォームより、お問い合わせください。
◎ソフトカプセルに関するお問い合わせ